最終更新:2025年10月
脳血管障害(脳卒中)とは?
脳血管障害(脳卒中)は、脳の血管が詰まる「脳梗塞」、破れて出血する「脳出血」、脳の表面で血管が破れる「くも膜下出血」などをまとめた名前です。いずれも突然症状が出るのが特徴で、手足のまひ・言葉の障害・視野の異常・強い頭痛などが急にあらわれます。命に関わることや、後遺症が残ることもある重大な病気です。高血圧・糖尿病・脂質異常症などがある方は、起こる前からの予防が大切です。
脳血管障害(脳卒中)の最近の考え方
脳卒中は「発症時にどう治すか」だけでなく、「一度起こした人が二度目を起こさないようにすること(再発予防)」が重要とされています。高血圧・糖尿病・脂質異常症・喫煙・心房細動などの危険因子をまとめて管理すると、再発のリスクを大きく下げられることが分かっています。また、症状が一時的に出てすぐに治る「一過性脳虚血発作(TIA)」も、近いうちに脳梗塞を起こすサインになるため、症状が消えたからといって放置しないことが大切です。
発症が疑われるときのサイン
- 片側の手足・顔が急に動かない、力が入らない
- ろれつが回らない、ことばが出ない、言っていることが分からない
- 片目が見えなくなる、視野が欠ける、二重に見える
- ふらついて立てない
- 今までにない激しい頭痛
このような症状が急に出たら、まずは救急対応が優先です。落ち着いたあとの再発予防・生活習慣の見直しを当院で行います。
検査について
再発を防ぐには「どのくらい危険か」を把握する必要があります。
- 血液検査で糖・脂質・腎機能などを確認
- 心電図・ホルター心電図で心房細動などの不整脈を確認
- 頸動脈エコーで首の動脈(頚動脈)の詰まり具合をみる
- 頭部CT・MRIは栃木市内の医療機関と連携して撮影
これらを組み合わせて、治療方法を判断します。
日常でできること(薬物を用いずできる再発予防)
- 家庭血圧を測り、できれば130/80mmHg未満をめざす
- 塩分を1日6g未満にする(汁物のスープを残す・加工食品を減らす)
- 週150分を目安にウォーキングなどの運動
- 禁煙・飲酒は適量まで
- 体重を2〜3kgでも減らすと血圧は下がりやすくなります
高血圧ページと同じ生活習慣の改善が、そのまま脳卒中の再発予防になります。
薬物療法について
脳梗塞を起こした方や、心房細動など血栓ができやすい方では、抗血小板薬・抗凝固薬を内服して再発を防ぎます。あわせて、血圧・血糖・コレステロールを下げる薬も使います。薬は「症状がないとき」こそ続けることが重要ですので、絶対に自己判断で中断せずに受診時にご相談ください。
好生医院の診療の流れ
当院には脳卒中専門医という脳卒中治療に精通した専門の医師がおりますので、診療については丁寧な説明のもと、安心して診療をお受けいただけるかと思います。主に以下のようなことをおこなってまいります。
- 危険因子(高血圧・糖尿病・不整脈など)のチェック
- 必要な頭部画像・心エコー・頸動脈エコー・24時間Holter心電図を実施
- 薬と生活習慣の説明
- 家庭血圧や検査値をみながら定期フォロー
地域で通いながら再発予防を続けることを目標にします。
よくある質問
Q. 一度脳梗塞を発症したら毎月通う必要がありますか?
A. 最初は月1回が多いですが、血圧・検査値が安定していれば間隔をあけていきます。
Q. 家庭血圧だけでいいですか?
A. 家庭血圧はとても大事です。最初は診察室の血圧とあわせて確認してください。
Q. 食事はどこまで気をつけますか?
A. 塩分6g未満を基本に、加工食品・麺類のスープを控えるところから始めると続けやすいです。
