最終更新:2025年10月
てんかんとは?
てんかんは、脳の一部で異常な電気信号が出ることで、同じような発作をくり返す病気です。子どもだけでなく、脳梗塞のあとや頭を打ったあと、高齢になってから初めて発作が出ることもあります。発作は「倒れる・けいれんする」だけではなく、「数十秒ぼんやりする」「口をもぐもぐする」「変なにおいを感じる」といった軽いものもあり、めまいや失神と間違われることがあります。
てんかんの最近の考え方
現在は、最初の数回でしっかり発作のタイプを見きわめ、合った薬を早めに使うことで、就労・就学・運転などの日常生活を守ることが重視されています。発作が長期間出ていない場合には薬を減らすこともありますが、再発リスクを見ながら慎重に行います。つまり「一度きりだから大丈夫」とせず、発作があった段階で一度脳神経内科に相談するのが安全です。
発作として多いパターン
- 全身ががくがくして倒れる
- 数十秒〜数分、呼びかけに反応しない
- 口や手が同じ動きをくり返す
- におい・胸の違和感・不安などの前ぶれだけで終わる
- 発作のあと、その間の記憶が抜けている
ご家族が見た様子を一緒に持ってきていただくと診断しやすくなります。
検査について
- 脳波検査:てんかんに特徴的な波を確認します。
- 頭部MRI:脳腫瘍・脳梗塞後など、発作の原因になる病変を確認します。
- 血液検査:代謝異常や薬剤影響がないかを調べます。
これらは必要に応じて栃木市内の連携医療機関で行い、結果をもとに当院で治療方針を決めます。
生活でできること
- 睡眠を十分にとる(睡眠不足は誘因になります)
- お酒は控えめにする
- 発熱・脱水のときは無理をしない
- 発作が起きた日時・状況・前ぶれを記録しておく
記録は薬の調整や運転可否の判断に役立ちます。
薬物療法について
てんかんの多くは、抗てんかん薬の服用で発作を抑えられます。発作のタイプ・年齢・妊娠の予定・合併症を考慮して薬を選び、必要最小限の量でコントロールをめざします。自己判断で中断すると再発しやすくなるため、やめるときも必ず相談してください。
好生医院の診療の流れ
- 発作の状況・回数・きっかけなどを詳しく聞き取ります
- 脳波・MRIなどを手配
- 抗てんかん薬の開始と生活指導
- 一定期間ごとに発作の有無を確認
よくある質問
Q. 発作が1回だけでも受診したほうがいいですか?
A. 受診してください。1回でも他の病気が隠れていることがあります。
Q. お酒は完全に禁止ですか?
A. 少量なら問題ないこともありますが、飲みすぎ・一気飲みは避けてください。
Q. 運転はできますか?
A. 最低2年間は運転を控えていただくことになります。その後の運転については、寝ている時だけの発作なのかなど、発作の種類とコントロール状況で判断します。診断書が必要な場合はご相談ください。
