1. 糖尿病とは?
- 糖尿病は、血中のブドウ糖(血糖)レベルが長期間高い状態にある慢性的な疾患であり、インスリンの不足または効果不足によって引き起こされます。インスリンは、ブドウ糖を体内の細胞に取り込むための重要なホルモンであり、その働きが損なわれると、細胞はブドウ糖を効率的に利用できなくなります。これにより、血液中のブドウ糖が増加し、高血糖状態が続くことになります。
2. 症状
- 糖尿病の症状は多岐にわたりますが、一般的な症状には次のようなものがあります。
- 頻尿:高血糖の状態が尿量を増やします。
- 異常な空腹感:細胞がブドウ糖をエネルギーとして利用できないため、体がエネルギー不足を感じます。
- 体重減少:体内のエネルギーが効果的に利用されないため、体重が減少します。
- 疲労感:エネルギーの不足により、日常の活動に疲労を感じやすくなります。
- 視力の変化:高血糖が水晶体に影響を与え、視力が変化することがあります。
- 傷の治りが遅い:高血糖は傷の治癒プロセスを遅らせる可能性があります。
3. 分類
- 糖尿病は主に以下のように分類されます。
- 1型糖尿病:膵臓のベータ細胞が自己免疫攻撃を受けて破壊され、インスリンの分泌が不足する状態です。主に若年層に見られます。
- 2型糖尿病:細胞がインスリンの働きに反応しなくなる、または十分なインスリンを生成できなくなる状態です。成人によくみられるタイプです。
4. 原因
- 糖尿病の原因は多岐にわたりますが、遺伝的要因、肥満、不健康な食生活、運動不足、ストレス、自己免疫攻撃などが関与しています。
5. リスク因子
- 糖尿病のリスク因子には、以下が含まれます。
- 肥満や過体重
- 運動不足
- 高血圧
- 高コレステロール
- 高血糖
- 家族歴
- 年齢(特に高齢者)
- 喫煙
- ストレス
6. 予防
- 糖尿病の予防には、以下のような生活習慣の改善が重要です。
- バランスの取れた食事
- 適度な運動
- 体重管理
- ストレス管理
- 定期的な健康診断
- 禁煙
- 適切な睡眠
7. 検査と診断
- 糖尿病の診断には、HbA1cテスト、空腹時血糖値テスト、経口ブドウ糖負荷試験などが一般的に使用されます。
8. 合併症
- 糖尿病の合併症には、心血管疾患、腎臓疾患、神経障害、視力障害、皮膚感染症、歯周病などがあります。
9. 治療
- 糖尿病の治療には、生活習慣の改善、食事療法、運動療法、薬物治療(血糖降下剤やインスリンの投与)、定期的なモニタリングなどが含まれます。
- インスリンを出しやすくする薬
- スルホニル尿素薬
膵臓でのインスリンの分泌を促進します。 - グリニド薬
短時間の膵臓のインスリン分泌を促進します。食直前に内服し食後の高血糖を改善します。 - DPP-4阻害薬
膵臓に働くインクレチンというホルモンの働きを強めてインスリンの分泌を促進します。 - GLP-1受容体作動薬
GLP-1というホルモンに似た作用をもち、血糖値に応じて膵臓からインスリンを分泌させ血糖値を下げます。 - グリミン薬
血糖値に応じて膵臓からインスリンを分泌させ血糖値を下げます。また、肝臓で糖が作られたり、筋肉で糖が取り込まれるのを改善し、インスリンの効果を高めます。
- スルホニル尿素薬
- インスリンを効きやすくする薬
- ビグアナイド薬
肝臓からの糖の放出を抑えます。また、消化管からの糖吸収の抑制や、筋肉でのインスリンの効きを改善する働きがあります。 - チアゾリジン薬
筋肉、肝臓、脂肪組織に働きかけ、インスリンの効きを改善します。
- ビグアナイド薬
- 糖の吸収や排泄を調整する薬
- αグルコシダーゼ阻害薬
小腸での糖の分解・吸収を遅らせます。食直前に内服し食後の高血糖を改善します。 - SGLT-2阻害薬
腎臓の尿細管からのブドウ糖の取り込みを抑え尿への糖の排泄を促進します。
- αグルコシダーゼ阻害薬
- インスリンを出しやすくする薬
10. 当院での対応
- 当院では、糖尿病の診断から管理、合併症の予防まで、包括的なケアを提供しています。内科専門の医師が患者の状況に応じて最適な治療法を提案し、健康管理に協力しています。