最終更新:2025年10月
顔がぴくつくとは?
「まぶたがピクピクする」「口の端だけ勝手に動く」といった顔面の不随意運動は、疲れやストレスでも起こりますが、片側だけに繰り返し出る場合は“片側顔面けいれん”などの病気が隠れていることがあります。症状が何日も続く・広がる・人から指摘されるほどになった場合は、原因を一度確認したほうが安全です。
最近の考え方
片側顔面けいれんなど、顔面神経が血管などで刺激されて起きるタイプでは、薬だけでは十分に抑えられないことが少なくありません。そのため現在は、表情筋の動きを一時的に弱めるボツリヌス治療(ボトックス治療)が第一選択として広く行われています。必要な筋肉に少量を注射することで、「ピクピクする」「ぎゅっとつぶる」「口が引きつる」といった動きを目立たなくできます。
主な症状
- 片側のまぶたが一定のリズムでピクピクする
- 口の端が同じ側だけ引きつる
- 話すとき・食べるときに強くなる
- 記念写真で片側だけ目が細くなる
- 疲れ・緊張・飲酒後に悪化する
検査について
まず診察で左右差・範囲・ほかの脳神経症状の有無をみます。危険な原因がないかを確認するために、必要に応じて
- 頭部MRI・MRA(脳・脳幹・血管のチェック)
- 血液検査(代謝・電解質)
を実施します。腫瘍・脳幹病変などが否定できれば、症状を抑える治療に進みます。
ボツリヌス治療について
- 症状が出ている表情筋に、極少量のボツリヌス製剤を注射して筋肉の過剰な収縮をおさえます。
- 効果は通常数日〜2週間以内に出始め、3〜4か月前後持続することが多いです。
- 必要に応じて定期的に繰り返すことが前提の治療です。
- 注射する部位を調整することで、まぶたや口元など「気になるところだけ」を目立たなくすることができます。
- 全身に強い影響が出る治療ではなく、外来で行えるため、お仕事や家事の合間でも受けやすいのが利点です。
※費用や保険適用は症状・診断によって異なりますので、初回診察時に個別にご説明します。
生活でできること
- 目を酷使しすぎない・睡眠をとる
- カフェイン・アルコールをとりすぎない
- ストレスがはっきりしている場合はまずそこを調整
ただし「休めば治る」と思って長く放置するより、ボツリヌス治療で早めに抑えたほうが生活上のストレスを減らせるケースが多いです。
好生医院での診療の流れ
- 発症部位・回数・持続時間の聞き取り
- 必要なら栃木市内でMRI・MRAを実施
- ボツリヌス治療が適するかを判定、適応があれば当院でも実施可能です
- 注射後の効果をみて、3〜4か月ごとの再注射を計画
よくある質問
Q. どれくらいで効きますか?
A. 数日〜2週間以内に軽くなる方が多いです。
Q. 一度で終わりますか?
A. 多くは数か月で効果が弱くなるため、定期的に受ける形です。
Q. 仕事はその日できますか?
A. 外来で行うので、ほとんどの方はそのままお帰りいただけます。
Q.こちらのクリニックでボツリヌス治療は可能ですか?
A.はい。当院では神経内科専門医によるボツリヌス治療をお受けいただけます。
